道化座のいえノイエNo.160「日向家の五人姉妹」公演を無事に終えることができました。「心洗われました」「思わず幸せを頂きました」「体も気持ちもぽかぽか暖かくなりました」などなどたくさんの感想や、帰り際の皆さまの笑顔に触れ、私たち道化座一同、とても幸せです! 多数のご観劇に、心から感謝申し上げます。ありがとうございました!
【お客様の感想より】
・姉妹がお互いを思い合う気持ちに懐かしいような暖かい気持ちになりました。幸せって何か、この時代にあってどこか脇に追いやられているような大切なものを思い起こさせてくれる、揺さぶられる舞台でした。
・何てことない姉妹の話でしたが、『幸せ』って何やろう?家族って何やろうて考えながら芝居が終わってみたら、言葉では表現できないような優しく温かいものが胸に残っていました。もっと姉妹のお話を聴きたいと思える舞台でした。
・配膳のシーンで子どもたちと大人のふれ合いが自然でよかった。姉妹五人の会話がテンポよくとても心地よく感じた。三女と末っ子の会話がとても素晴らしいです。
・三女と末っ子が墓参りの帰りに青空をバックに二人で気持ちを交わす場面は何とも圧巻で、胸に迫るものがあってボロボロと泣いてしまいました。舞台となった島の方言も、とっても自然に表現されているようで、臨場感があって人情の温かさがストレートに伝わってきました。素晴らしいお芝居をありがとうございました。
・とても良かったです。音楽、照影、大道具、ぴったりマッチしていて、最終は感動しました。この空のように広い心で生きていきたいです。
・大きな事件があるお話とかではなく姉妹間のお話で、気づかされるもの、心にぐんとくるものが沢山ありました。子どもも三人衆もわいわいとした空気感がとても好きでした。ほんとに親戚の子とか近所の子がそこにいる感じ。楽しかったです。素敵な時間をありがとうございました。
【公演パンフレットより】
何もかもが“我よし”のなんとかファースト、自己中が世界中にはびこり、な~んだか日に日にギスギスした世の中になっていくようで悲しいです。こんな世の中でも、やはり幸せを求めて生きている私たちです。幸せの有り様は人ぞれぞれ。では、演劇に携わる私たちの幸せとは?と、ちょっとここで自問自答。がっぽりお金が儲かるわけもなく、むしろ公演毎の赤字を抱え、芝居貧乏を地でいく私たちです。では、何が楽しくて、何が嬉しくて、しんどい面倒なことをもいとわず、芝居に打ち込めるのか?
それは、やはりなんといってもお客様の笑顔でしょう。観客の皆さまの「お芝居、観てよかったよ~!」という満足の笑顔に接することができたとき、感謝とともに深い喜びが湧きあがり幸福感いっぱいになりますものね!芝居を通して、想いが通じたときに、私たちの労苦が報われ、幸福感を味わえるようです。
でも、これってお芝居に限らず、きっと、他の職業であれ、友人であれ、家族であれ、恋人同士であれ、皆、想いが通じたときって、大きな喜びが得られるのでは?自己中でまわりを振りまわすのも結構(とは思いませんが)だが、ちょっと相手の気持ちも察し、理解しあい、互いに想いやることで、ギスギスした世の中も少しは平和になるのでは? 自己中の“一人だけの幸せ”独占は、あまりに悲しく、幸せを味わうなら、より多くの人々とともに、より大きな幸せを味わいたいものですね。
さて、本日の公演の壺井栄/原作「暦」は、かなり昔の小説ですが、時代は異なっても、忘れてはいけないものがいっぱい詰まった作品です。今回、私たち道化座はお客様の笑顔に出会えるのか?不安を抱えつつも、悪戦苦闘の成果に繋がれば嬉しい限りです。どうぞ、最終最後までご観劇下さいますようお願い申し上げます。
― おおやかづき