- しあわせの記憶 -
不況の嵐が吹きすさぶ時代、小豆島を舞台に生活苦に喘ぎながらも、幼い子どもたちを懸命に守り育てる人々を描いた、「二十四の瞳」に劣らぬ壷井栄氏の名作。現代人が忘れかけている大切なものがたくさん詰まっています。
瀬戸内国際芸術祭2016 パフォーミングアーツ/イベントプログラム
「鬼んなって辛かってぇ、大根の葉ぁが辛かってぇ」……裏の荒神様の森から子どもたちが囃し立てる声が聞こえる。案の定、泣きべそをかいた健がとぼとぼ帰ってきた。
どこへ行くのも妹克子をおぶって健の手を引いてくれた母が、今回の神戸行には妹克子しか連れず、健ひとり祖母の家に預けられた。豚の餌を入れた桶を担ぎ、祖母は島の段々畑を登っていく。「母ちゃんは克ちゃんに目薬さしたら戻ってくるんで。ええもん買うて、いんま、戻ってくるんで」と祖母にまとわりつき得意気な健。だが、幼い克子の目は手術しても治る確率は低い。それでも、母は周囲の反対を押し切り、神戸の病院に出かけたのだ。
克子を近所に預け、大急ぎで健を迎えに来た母。祖母たちに礼を言い、母子は克子が待つ家路を急ぐ。僅かだが手術で克子の目が見え始めたことを母は嬉しく語り、石ころ道に揺れる母の背で、健は母のぬくもりに深く寝入る。潮風とともに島影から蒸気船の汽笛が響き渡り、母子の影が夕陽に染まっていく。
対象年齢 | 中学生/高校生/一般 |
上演時間 | 90分 |
準備時間 |
3時間 |
撤収時間 | 2時間 |
会場条件 | 特になし(体育館でも可) |
備考 | ー |
2023/11/11,12 | 大根の葉 | 劇団道化座IWAYAスタジオ |
2016/04/15,16 | 大根の葉 in 小豆島 | 小豆島 春日神社内中山農村歌舞伎舞台 |
2014/09/30 | 大根の葉 | 兵庫県立芸術文化センター |
2023/11/11,12 | 大根の葉 | 劇団道化座IWAYAスタジオ |
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