「幸せのゆくえ」


「幸せのゆくえ」舞台写真

作/渡辺鶴

〈幸福〉シリーズ 道化座版リア王

「幸せのゆくえ」は「幸福」「幸福の条件」に続く<幸福>シリーズ第3作として1993年に初演、2003年に「幸せのゆくえ」として改編した作品です。

「幸せのゆくえ」初演から17年、時代は更に過酷さを増し、日々、目も耳も覆いたくなるようなことばかりです。今や夢を語ることが困難な時代になりました。我が国は、まさに高齢化社会となり、人間本来の子を産み育てるという自然の摂理は失われ、子が親を撃ち、親が子を蝕む、兄弟相食む弱肉強食の時代になったようです。

子が老いた親の手をとり共に歩む姿は遠い過去となり、家族という名の不毛の荒野を、【リア王】のごとく一人彷徨わなければならない非常な時代と成り果てました。しかし、私たちは老いてもなお生き抜かなければなりません! 他者を頼ることなく、自分自身の知恵と体力で起立し、この世を生き抜く覚悟が必要です。自己を最上の杖としてしっかり地に足をつけて力強く歩むのです。そして、どんな時代であっても、夢を語り続けなければなりません。(公演パンフレットより)



ストーリー

子供たちも独立し、杢太郎は勝手気ままな一人暮らし。突然、普段疎遠の息子や娘が、「おじいちゃん、お誕生日おめでとう」と連れだってやってきた。久しぶりに子供たちの笑顔に囲まれ、 杢太郎はついウトウト、一瞬の夢を見る。……孫たちの、「おじいちゃん!」の声に目覚め、「ハッピーバースディ」の歌声に心和む杢太郎。

でも、どうも素直に喜べない。案の定、 宴もたけなわ、彼らが切り出したのは、なんと、杢太郎の住むこの古屋を売却する話だった!

腹立たしいやら、情けないやら。杢太郎の怒りが大爆発!!! 「出て行く!」と我が家を飛び出した。無一文になって、我が子を訪ねて行くと、幸せとは裏腹な家族の姿が……。

これは、少女ハナコの夢なのか? 夢のまた夢なのか? 杢太郎のゆくえは? そして、私たちの幸せのゆくえは?




チラシ ・ パンフレット

2010/09/25「幸せのゆくえ」チラシ表
2010/09/25「幸せのゆくえ」チラシ表
2010/09/25「幸せのゆくえ」チラシ裏
2010/09/25「幸せのゆくえ」チラシ裏
2010/09/25「幸せのゆくえ」パンフレット抜粋
2010/09/25「幸せのゆくえ」パンフレット抜粋


公演履歴

2003/12/08 新神戸オリエンタル劇場  
2009/03/04 中学校公演 中学校芸術鑑賞会
2010/07/14 中学校公演 中学校芸術鑑賞会
2010/09/25 兵庫県立芸術文化センター 劇団道化座創立60周年記念
2010/10/05 加古川市民会館 高校芸術鑑賞会