作/井上ひさし
いつものように変わらぬ広島の暑い夏の朝。突如、人々を襲った閃光。次の瞬間、一万二千度の熱風が吹き抜けた。二度と起こしてはならない原爆の悲劇。身体に、心に、深い傷を負った人々はどのように立ち上がったのか。独特の喜劇で、父娘の深い絆を、悲しみを乗り越えていく人間の姿を、そして生きる喜びを謳いあげた井上ひさし氏の名作中の名作!!
2008年、中国・上海『上海国際戯劇季』にて、海外招請作品として上演。
昭和23年。原爆で父・竹造を失った美津江は、広島の比治山近くに独り暮らしている。だが、父に会いたい美津江の思いからか、時々亡くなった竹造が姿を現す。美津江は、原爆で逝った女学校の友人たちを思うと、一人だけ幸せになる勇気を持てない。想いを寄せる男性がいるが、被爆した我が身に潜む病が恐ろしく、人を愛することなど許されないと、ひっそり生きようとする。何よりも、燃え上がる火の中に父を見捨て、一人逃げた自責の念は、どうしても振り払うことができない。父はそんな娘を、“原爆で一人生き残って、うしろめとうて申し訳なあ病”という病気にかかっていると診断。生き残ったからこそ「友達の分まで幸せになれ」「わしの分まで生きてくれ」と、幽霊の身ながら精一杯、娘に声援を送る。
対象年齢 | 中学生/高校生/一般 |
上演時間 | 90分 |
準備時間 | 3時間 |
撤収時間 | 2時間 |
会場条件 | 特になし(体育館でも可) |
備考 | ー |
2008/09/06,07 | 劇団道化座IWAYAスタジオ | |
2008/11/21-23 | 上海話劇芸術センター | ▶報告書PDF 上海国際当代戯劇季 |
2009/11/18 | 中学校公演 | 中学校芸術鑑賞会 |
2009/11/19 | 伊丹市立文化会館 | 高校芸術鑑賞会 |
2010/10/26 | 南あわじ市三原健康広場体育館 | 高校芸術鑑賞会 |
2011/08/23 | 兵庫県立芸術文化センター | |
2023/09/23 | 兵庫県立芸術文化センター | ▶写真集 ▶感想文 |